ロービジョンの集い2014

 第11回「ロービジョンの集い」が、平成26年 9月7日(日)、広島国際会議場で、「ロービジョンの集い」、「目の健康講座」、「小児眼科懇話会」、「広島県眼科医会講習会」、「広島県眼科医会総会」を統合した合同イベントの一環として開催され、「ロービジョンの集い」には、視覚障害を有する患者、その家族、学校関係者、行政担当者、医療関係者など約100人が参加しました。

 白根雅子広島県眼科医会会長の開会の挨拶の後、広島県知事代理として広島県健康福祉局長 笠松淳也様、広島市長代理として広島市健康福祉局障害福祉部長 政氏昭夫様が来賓のご挨拶をされました。
 来賓のご挨拶に続き、二部構成の講演が開始されました。
 第一部では、国立障害者リハビリテーションセンター 西田朋美先生が、「視覚障がい者スポーツをもっと知ろう!」というタイトルで講演されました。西田先生は日本における視覚障がい者スポーツの第一人者です。
(ここで、「障害」と「障がい」の表記を使い分けていることに対する西田先生のコメントを紹介します。「害」を「がい」とひらがな表記にしているは、ミスプリントではなく、意識してのことです。今年度より「日本障害者スポーツ協会」は「日本障がい者スポーツ協会」という表記に変わり、「視覚障害者スポーツ」も「視覚障がい者スポーツ」と呼ぶようになりました。ただ、「国立障害者リハビリテーションセンター」の正式名称は、いまだに「国立障害者リハビリテーションセンター」のままです。混乱しそうですが、スポーツの話をするときには「障がい」という表記を使うのが現在の流れのようです。以上が西田先生の説明です。)
 西田先生は、障害者スポーツの現状、視覚障害の認定方法、パラリンピックに関する話題など、とてもわかりやすく説明してくださいました。
続いて第二部のディスカッションでは、西田先生、広島大学病院でロービジョン外来を担当している奈良井章人先生、白根会長の司会のもと、実際に視覚障がい者スポーツ(マラソン、ブラインドテニス、グランドソフトボール)に携わっている3人のアスリートに登壇していただきました。
 西田先生と奈良井先生から、各スポーツについてのルールや競技方法等の説明をしていただいた後、3人のアスリートそれぞれに、「そのスポーツをしていて良かったこと、魅力、やりがい、苦労したこと、みなさんへのアピール等」をお話していただきました。また、ブラインドテニス、グランドソフトボールで実際に使用しているボールなども見せていただきました。実際に視覚障がい者スポーツをされている方から伺う「生の声」は、とても興味深く、参加者に大好評でした。
 また、講演と平行してロービジョンの方を対象とした福祉機器展示も開催されました。
「ロービジョンの集い」は今回で11回目になります。過去10回の「ロービジョンの集い」がロービジョンの方々への情報提供的な内容であったのと比べ、今回は「視覚障がいスポーツを採り上げ、実際のアスリートから話を伺う」というやや趣向の変わった内容でした。それゆえ、主催者側としても多少心配しましたが、杞憂に過ぎず、大盛況でした。今後も幅広い内容で「ロービジョンの集い」を開催できればと思います。
最後になりましたが、今回の「ロービジョンの集い」開催にあたり、お手伝いいただきました関係者の方々にお礼申し上げます。 (常任理事 塚本秀利)

開会式 広島県眼科医会会長挨拶
広島県健康福祉局長 笠松淳也(かさまつ じゅんや)様
広島市健康福祉局障害福祉部長 政氏昭夫(まさうじ あきお)様
講演 「視覚障がい者スポーツをもっと知ろう!」
質疑応答含む 国立障害者リハビリテーションセンター病院眼科 西田朋美(にしだ ともみ)先生

nishida tomomi low vision 2014

25290017